5日の東京株式相場は小反発の見込み

5日の東京株式相場は小反発の見込み。為替市場で円高の勢いが一服し過度な業績懸念が後退、電機など輸出関連のほか、きのう下げが目立った鉄鋼など素材株に見直し買いが入りそう。半面、根強い地政学リスクから株価指数の上値は重く、個別では業績失望のファーストリテイリングピジョンが安くなる。

SMBCフレンド証券投資情報部の松野利彦チーフストラテジストは「北朝鮮が新しい軍事行動に出ない限り、きょうは基本的に一進一退だろう。きのうの欧州市場を見る限り、日本時間から地政学リスクの状況はさらに悪化しなかった」と述べた。

http://faoeroiuol.flips.jp/
http://faoeroiuol.asks.jp/645.html

けさの為替市場ではドル・円相場が1ドル=109円70銭付近と、東京株市場の4日終値時点109円78銭とほぼ同水準で推移している。きのうは朝鮮半島を巡る地政学的懸念を受けて資金を逃避させる動きが活発化、109円20銭台まで円高が進んだものの、その後は円高の勢いは弱まっている。

4日の欧州株式市場では、ストックス欧州600指数が前週末比0.5%安、英FTSE100指数は0.4%安と、TOPIXの1%安、日経平均の0.9%安と比べて下げは小幅だった。日本時間の通常取引終了直後には、韓国国防省北朝鮮大陸間弾道ミサイルICBM)と思われるミサイル発射に向けて準備を続けている様子が見られることを明らかにしていた。

地政学リスクや米債務上限問題、海外金融政策など9月のマーケットを揺らす材料が多いことから、投資家はリスクヘッジへの対応が進んでいる」と、http://faoeroiuol.asks.jp/293.html
http://www.freeml.com/bl/15751509/512021/
SMBCフ証の松野氏は指摘。このため為替市場でも「ミサイル発射や核実験などリスクが高まるニュースを受けて最初にドル売りを仕掛ける向きはあるが、その後に続く投資家は多くない」と言う。欧州株が「日本株以上に下げなかったというのは一つの安心感につながる」。

もっとも、北朝鮮情勢は依然として緊迫している。国連安全保障理事会の緊急会合でヘイリー米国連大使は、北朝鮮が3日に核実験を強行したのは「戦争を懇願する」行為だと述べ、金正恩体制を屈服させるには可能な限り強力な制裁が必要だと主張した。トランプ米大統領マティス国防長官から軍事的選択肢の説明を受けながら、中国との貿易停止を意味する新たな制裁を検討した。

株式需給に対する懸念も上値を抑える要因。政府が検討してきた日本郵政株の追加売却について、11日に売り出し決議、29日にも売却完了と共同通信が報じた。売却は最大で2015年の郵政上場時と同じ1兆4000円規模となる見込みとしている。個別では8月の国内ユニクロ既存店売上高が前年同月比3.4%減だったFリテイリ、上期営業利益がコンセンサスを下回ったとゴールドマン・サックス証券が指摘したピジョンが安くなる可能性がある。